NHK音の風景

NHKのAMラジオやFMで放送されている「音の風景」という番組がなかなか面白い。

祭りの時の掛け声や夜店などの雑多な音など耳をすまして聴いるてると、自然にそこに居るような錯覚に陥ることもある。
ラジオならではの想像力をかきたたせてくれます。町にはおびただしい音が氾濫していますが、この番組のように市場とか駄菓子屋さんでのやりとりなど、日常生活にまつわる音には違和感もなくむしろ安心感すらあります。またラジオならではの効果でしょうか、自然の音などはそこに吸い込まれるような気分になります。

運転や仕事をしながらラジオを聴いている人は結構おられると思いますが、真剣に耳を傾けるということはあまりないと思います。この番組はわずか5分の短い番組だからこそ耳を傾けて集中してみるのもいいかなと思います。
いわゆる耳を研ぎ澄ますってやつですね。
普段私たちは耳を研ぎ澄ますってことはめったにしないと思います。
そんなことをされる方はクラシックのコンサートに行かれる方くらいしか頭に浮かびませんが、一度そういう癖をつけるといわゆるきれいな音と雑音にしか聞こえない嫌な音の区別が瞬時にわかるようになります。

最近はスマホで音楽を聴く人も多いですが、ヘッドフォンで聴く場合はまだましですが、直接聴く場合は低音の周波数がかなりカットされますので音楽に安定感をもたらすベース音が聴こえにくくなります。
私にはあれも雑音に聴こえてしまいます。普通の人は平気でご満悦で聴かれていますがね・・・

耳も老化とともに衰えますが、普段からそうやって鍛えることで何もしないよりははるかにましに聴こえるのではないかと感覚として持っています。

 

先日、友人のピアニストがある会場で歌の伴奏をした時に、ひどい調律のピアノにもかかわらず観客は拍手喝采だったそうです。
その時彼は、今度来る時は自費で調律しようと思ったそうですが、同時に「何の為に? ひどい調律でもクレームも付けない観客の為に?それとも自分が耐えられないから?」と自問自答しながらそのうちあほらしくなったといいます。それがヨーロッパの国での出来事ならおそらくクレームの嵐だったに違いないでしょう。

一般に音楽を聴く時に、カラオケ好きなおじさん、おばちゃん達は歌手の歌うメロディだけ、若い人達でもメロディとドラムやベースなどのリズムまで。調律やハーモニー(和音)まで耳を澄まして聴く事は殆どないのではなかろうかと思います。

もっとも、日本にハーモニーという概念が入ってきてせいぜい100年位ですから無理もありませんが、ヨーロッパの音楽文化とは余りに違いすぎる姿に愕然とします。

それはともかく、こういう親切な番組はあまりありませんので皆さんぜひ一度聴いてみてください。
想像力を膨らますことでまだ見ぬ世界へ自分自身を誘ってみてください。
きっと思いもしない新たな発見があることと思います。

Follow me!

前の記事

スポーツ応援と音楽