マークSATOの面白音楽講座5

音楽の3要素 ハーモニー編

音楽の3要素シリーズ、最終回はハーモニーです。
歌好きの人がよくいいますね、“ちょっと ここんところハモってみようか?”なんてね。
かっこつけていうことがありますが、それがハーモニーなんです。

主旋律に別のメロディをつけて同時に奏でるということですが、これを行う事で本来のメロディがぐっと引き立つことになりますし、聴いてる人々に重厚さとか豪華さを感じさせる効果があります。
また、うまくハモることが出来れば聴いている人に“美しい”と感じさせもします。

ハーモニーは主旋律の上でも下でもつけることができますが、要注意なのは決して主旋律よりも目立ちすぎてはいけない暗黙のルールがあります。というのは主旋律よりも目立つと、本来のメロディ(歌)が分かりずらくなるからなんですね。
どっちがメロディなんや?という事になるわけです。
ですからハーモニーはあくまでもメロディの味付けという事になりますが、これがあるとないでは音楽の広がりというか、そういうものに差が出るわけですね。

クラシック音楽では和声学というものが確立されていて、どんな組み合わせの音が一番人間の耳に心地よく響くかというようなことがバッハやモーツァルトの時代から、いや、おそらく紀元前のピタゴラスの時代から知られていたのかもしれませんが、ともかくドミソの和音はドレソやドファソの和音よりも心地よく響くということに気づいた人がいろんな組み合わせを考えていったという事なんでしょうね。

ただ、これも西洋音楽の特徴なので日本の民謡、長唄といったものには当然のことながらありません。
主にアメリカからポピュラー音楽としてもたらされてから一気に広まったといえます。
日本の歌謡界では1960年代に大活躍した「ザ・ピーナッツ」がおそらく楽曲にハーモニーをつけた最初だったと思われます。

当然のことながらハーモニーをつけるには、メロディを歌う人のほかにもう1人以上が必要という事になります。
ザ・ピーナッツ以降1990年頃まではダークダックス、ボニージャックス、デュークエイセスといった男性4人の歌唱グループや、5人のタイムファイブ,混声の赤い鳥、女性では3人のスリーグレイセス、スリーキャッツなど、ハーモニー全盛の時代がありましたが、光GENJI,スマップ、嵐などでジャニーズ事務所が歌謡界を席巻するようになると、ハーモニーは採用されなくなり、5人以上いてもみんな同じメロディを歌う流れが定着してしまいました。AKB48などもそうですが、大勢いてもみな同じメロディを歌うので一人一人はもちろん、全体としても個性がなくなるという事になっていますので、どうなんだろうなぁ?これでいいのかなぁ?などと勝手に憂えています。
唯一気を吐いているといえるゴスペラーズがいますが、この風潮は、個人的にはハッキリ言って“面白くない!”ですね。

ハーモニーは正統派の音楽グループのみならず、演芸の世界では結構昔から取り入れられていました。
代表的なのは関西の女性3人組「かしまし娘」です。

でも、最近では学校でも地域でも合唱団やママさんコーラスなどが盛んで、見事なハーモニーを聴かせてくれていますので、身近に耳にする機会も増えたのではないでしょうか。

ハーモニーという言葉は、単に音楽的な「和声」という意味だけではなく、広義には「調和」的な意味で使われることもありますね。昨年には毎日新聞に「世界にはハーモニーが足りない」という意見広告が載って話題になりましたし、“職場のハーモニーを大切にしよう!”なんてスローガンがどこかにあるかもしれません。

「聴かせるも 聴くも楽しい ハーモニー」なんちって・・・あたりまえか (`・ω・´)

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