スポーツ応援と音楽
スポーツ応援に音楽は欠かせない・・・
と思ってる人は野球観戦しか興味のない人だけかもしれない。
それも日本の野球限定で・・・
確かに高校野球でのブラスバンドの応援は迫力もあるし、サッカーでいうところの強力な10人目のサポーターといえるかもしれないし、プロ野球の応援でもまとまった集団の演奏こそないものの延々と数人のトランペットにあわせて合いの手のように掛け声をかけて応援する様はファンにとっては当たり前のものであり、それがないと応援した気持ちにならないのかもしれない。
一方で海外に目を向けるとアメリカの大リーグやアメフト、世界各国のサッカーでは応援は観客の拍手のみである。
拍手や歓声だけでも数万の観客がいるとそれはそれなりに大迫力である。2010年の南アフリカでのW杯で話題になったブブゼラや太鼓、民族楽器などの打楽器を使っての応援はしばしばみられるが、管楽器を使っての応援はおそらく日本だけのような気がします。
いい悪いは別にしてここにも日本人の音に対する考え方が反映されているように思います。
日本では選挙時の街頭演説、チリ紙交換、商店街でのBGM、芝刈り機の音など普段あまり気にせずにやり過ごしていますが、欧米ではそれらは騒音として厳しく制限されているようです。
例えばイギリスでは休日の芝刈りは禁止されていると聞きますし、駅での行先案内も最小限度に抑えられているそうです。
つまり日本人は音に対する感覚が枯山水などの静寂を好む文化の割には敏感でない人が多いと思われるのです。
スポーツ応援にもそれが影響しているのではないでしょうか。
卓球、バトミントン、テニスなどの個人競技は集団での応援は不向きですし、団体競技でもバレーやバスケットは室内競技ですのでどうしても規模は小さくなります。
では実際の応援風景を見てみましょう。
下記は最近始まった日本のBリーグ(バスケット)の応援風景です。
観客自体が音楽を使ってるわけではないですが盛り上げ役が絶叫していますね。
高校野球の応援では攻撃している側だけが応援して守備をしている側は何もしていません。
プロ野球も攻撃している側だけが応援するのは高校野球と同じですが応援スタイルとしては単純です。
ここでトランペットがメロディを吹く意味がわたしにはよくわかりませんがこれがスタイルなんでしょうね。
参考までに韓国のプロ野球の応援風景もご覧ください。
サッカーJリーグの応援も野球とは違いますが、手拍子の取り方などがいかにも日本的だなと思います。
最後に高校サッカーの応援風景もご覧ください。基本的には高校野球の応援と変わりません。あくまでも部活の応援ということなんでしょうが、私には少し違和感があります。というのも野球は攻撃と守備がはっきり分かれていて交代するたびに休息があるのにサッカーにはそれがないので決められた時間が来るまで休息する暇がない。
音楽のジャンルでいえば個人的に野球は演歌、サッカーはサンバだと思っていますので野球スタイルの応援はサッカーには向いてないといえます。ましてや高校サッカーの全国大会は真冬ですので管楽器は音を出すこと自体が大変なんです。気温が低いと金属は響かないという弱点があるからなんですね。Jリーグの応援風景と比べると同じサッカーでも全く違いますよね。間を大事にする日本文化にサッカーが馴染むにはまだまだ相当時間がかかりそうですね。